むかーしむかし、大体二千年くらい前の地中海辺りに、ナザレという村がありました。

この村には首輪職人で食べごろの30代のヨセフさんと
ある一説では、ヨセフは牛の首輪(頸木/くびき)造りの専門家だったと言われている。
その婚約者のマリアちゃん(14)がいました。

ある夜、マリアちゃんが眠っていると

変質者天使ガブリエルがやってきていいました。「アヴェ・マリア、恵まれた方よ云々」
唄にもなっている『アヴェ・マリア』。おはよう、こんばんわ、に相当する言葉。ちなみに聖書にはガブリエルの衣服について何も書かれていない。
イミフだったので、マリアちゃんは考え込みました。

「貴方は男の子を生むでしょう。その子は神の子です。イエスと名づけなさい」
「イエス(ヨシュア)」は『神は救い』という意味のギリシャ語。新約聖書はギリシャ語で書かれている。
「あたしはまだ旦那がいないんですけどぉ!」
要するに処女。
すると天使はいいました。「聖霊が孕ませてくれるから大丈夫!
所謂処女懐胎(しょじょかいたい)。聖書ではちゃんと上品に言っているのでご注意を。
とゆー訳で身ごもったマリアちゃんは、お山の中にあるユダという街に、親戚に会いに行きました。
マリアの親戚の老婦エリザベツが、聖霊パワーで旦那の子を身ごもった為。子作りする体力があった旦那も旦那。
その頃のヨセフさんは、打ちひしがれていました。

婚約者が石打ちになってしまうかもしれなかったからです。
当時の社会では姦淫罪は死罪。死ぬまで石を投げつけられて殺されることになる。
そこへ変質者ガブリエルが来て言いました。
実は受胎告知(じゅたいこくち)以外の天使はガブリエルではないという説もあるらしい。
「マリアは神の子を身ごもっただけです。いいから結婚しなさい、予言の都合があるから
マリアもヨセフも実は先祖は同じ。しかしヨセフが直系の子孫。
とゆーわけで二人はめでたく結婚しました。

マリアちゃんが身重になったころ、空気の読めないローマ皇帝が住民登録を命令しました。
アウグストュスって名前らしい。
仕方がないので、ヨセフさんはご先祖さまのダビデ王の出生地ベツレヘムに向かいました。

そして夜になって漸く、ベツレヘムに来ましたが―――。

マリアちゃんもキていました。

「子供が生まれそうなんです!」しかし、どこの宿も満室で休めるところがありません。

漸く休めそうな場所は、ほら穴に作った家畜小屋でした。

子供が生まれるっちゅーんじゃああああああ!!!!

しかし背に腹は代えられないので、家畜小屋に入りました。

何と吃驚、生まれてしまいました。

「ねえねえ、飼い葉おけのベッドとか良くない?」「…新生児だぞ?」

その頃平原では、羊飼いと言う名のホームレスが羊の番をしていました。

そこへやたらテンションの高い変質者ガブリエルとその仲間たちが現れました。

なんかよくわかんないけど一大事らしいので、家畜小屋に行ってみました。

新生児を見る為に、東方から態々エライ人が来たりもしていました。
所謂東方の三博士。実は3人である根拠は捧げものが三つであることだけだったりする。
そんなこんなでヨセフさんがクタクタになって爆睡していると、またお告げがありました。

「ヘロデ王が赤ちゃんを殺しにくるヨ! 早く逃げなさい!」
暴君にして建築マニアの当時の王様がヘロデ王。ユダヤ人ではないヘロデ王にとって、ユダヤ人の王(イエス・キリスト)の登場は驚異だった。
っちゅーわけで、何と吃驚。救世主は生まれて数日で難民になってしまったのでした。
でも数年でヘロデ王が死んだので、帰ってきたらしい。