前回までのあらすじ。
 楽園に住んでいたアダムさんとエバさんは、ゴッドファーザーの前で昼ドラを繰り広げたので、楽園から追い出されてしまいました。
 でもめげずに二人は家族を持っていたのです…。



お兄ちゃんの名前は、カインくんと言いました。
農夫である。
弟の名前は、アベルくんと言いました。
羊飼いである。
時期になったので、アベルくんはとびきりの羊をゴッドファーザーにあげました。
曰く、「羊の初子(ういご)の中から、最良の物を自分自身で持ってきた」
カインくんは、お野菜をゴッドファーザーにあげました。
これについては「地の穀物」以外に何も書かれていない。
第1回ゴッドファーザーイケニエ賞に輝いたのは、アベルくんでした。
ゴッドファーザーが野菜嫌いだったのではない。断じて。
カインくんはふてくされてしまいました。しかもゴッドファーザーに説教されてしまいました。
要するに態度が問題だったのである。
「野原に行こう」カインくんはそう言って、アベルくんを連れ出しました。

そして……。



ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪

さて、カインくんが戻って来ると、ゴッドファーザーがアベルくんを捜していました。

「さあ、知りません。ぼくは弟の番人じゃないですし」

ゴッドファーザーは怒って、カインくんに呪いをかけました。

「お前はエデンの東のノドの地に追放する!」
ノド…さすらう、という意味。
でも途中で兄弟姉妹に殺されると可哀想なので護ってあげることにしました。
この時点で、カインとアベルのほかの兄弟を示唆する文章はないが、だからといていないということにはならない。
そういうわけで、被害者と加害者の親になってしまったアダムさんとエバさんでしたが…。

めげずにまた子供を作りました。

セトと名づけられたこの子は、やがてすげー人のご先祖様となるのです………。